ヨーロッパ旅行4日目①
午前7時30分、携帯のアラーム音が部屋中に響き渡る。
「やったで!これやってもうたで!」
寝坊である。
朝ご飯を食べ損ねた僕たちはお腹ペコペコのペコ状態のまま、バスに乗りチェコのプラハ城へ向かった。
案内人はチェコに住んで18年、純日本人の方で『チェコのカンニング竹山』と呼ばれるおばさん(以後、竹山さん)だった。
ここで重要なのは『チェコのカンニング竹山』と呼んでいたのは僕(の心の中)だけだという事である。そして絶対に秘密である。
城に入る為には手荷物検査と簡易的なボディチェックが必要で、現地の警察官が退屈そうに行なっていた。
竹山さんに教わったチェコ語の挨拶
「Dobrý den(おはようございます)」
を使い、関門突破。
この「ドブリーデン」は朝だけじゃなく昼も夜も使えるそうで万能らしい。
そして、見えてきたのは大きくて立派な建物。これがチェコのプラハ城だと言わんばかりの迫力。
かつて、ボヘミア国王や神聖ローマ皇帝の居城であり現在は大統領府がある場所である。ちなみに竹山さん曰く今の大統領の印象は『わがままなおじいちゃん』だそう。
そんなプラハ城の中は礼拝堂や30年戦争が始まったきっかけとなった部屋がある。
一通り見た後にお腹ペコペコのペコ状態の僕は城の出口部分にある売店にて『ソーセージ』を食べようとヒゲがもじゃもじゃの怖い兄ちゃんに
「ワンソーセージ」
と言ってみた。
しかし、伝わっていない。
チェコ語は発音が違うのだと思い、探り探り
「セィシゥジ、スゥセィズ」
などと当てずっぽうで正解の発音を導き出そうとした。
無意味だった。
兄ちゃんが、
「ソーリー、○♪$☆%<×*€〒?」
と言ってきたので
僕も負けじと
「Hmm,OK~☆(ローラ風)」
と可愛いモノマネとキレキレの発音で言うと、出てきたのは
これだった。
竹山さんに聞くとこれはチェコの有名な菓子パン『Trdel(トルデュル)』らしい。
「ソーセージかすりもしてへんやん。トルデュルひとことも言うてへん。」
英語すら出来ない僕がチェコ語なんて出来るはずない。どこかでフィーリングでどうにかなると思ってた自分が恥ずかしい。後で『ソーセージ』はチェコ語で何というのか調べたら、
『klobása(クロバーサ)』
僕は死にたくなった。ソーセージの発音をどんなに変えても絶対に伝わるわけがない。恥ずかしすぎる。皆も『黒婆さん』には気を付けてくれ。
その後、プラハの旧市街広場に出ると有名な天文時計の塔が際立っていた。600年以上前から動き続けているらしい。すごい。
また、その上に登り広場を見下ろした風景がこちら。
様々な建物の歴史などは詳しく書かないので知りたい人はググる事をお勧め。ウィキペディアも良い仕事をしている。
そして、13時ごろに一旦解散、半日自由行動である。
②に続く
ヨーロッパ旅行3日目
3日目である今日は2日間お世話になったibisホテルを後にして、スロバキアの首都ブラチスラバへ。
移動時間がとにかく長く3時間ほどバスで揺られている最中は車窓から永遠に続く白銀の世界。
僕の住んでる大阪はこれほど視界の隅から隅まで雪なんて事は無いのでとても珍しい景色である。
そうこうしている内にブラチスラバへ着くとさすが首都なだけあって大きな建物もあり、とても栄えていた。
やはり、ここでも像発見。
また、有名なチュミル像もあり、しっかりつまずいてしまった。チュミルとはスロバキア語で『のぞき屋』
マンホールに隠れてまでのぞきたい気持ちに同情しつつも、正義感溢れる僕はしっかり彼を懲らしめておいた。
その後のランチは陽気なウェイターのいるレストランへ。
僕たちが日本人だと分かると、
「いらっしゃいませぇ~」
と挨拶してくれた。
返事も常に
「っはい!っはい!」
とにかく元気があった。
そして、食べた料理は
『ブリンゾベ・ハルシュキー』
という遊戯王の攻撃力4000くらいある強そうなモンスターみたいな名前のスロバキアで有名なチーズ料理である。召喚するのに生贄モンスター2体は必要だな。
感想は、チーズの酸味が少し強くベーコンが少なめだったので僕の中では星1つだと言えよう。完全にターンエンド。
しかし、とにかく陽気なウェイターさんには星3つをあげたい。
テルチとは『モラヴィアの真珠』と呼ばれ世界一美しいおとぎの国として世界遺産に認定された広場である。
かつて、大火事で広場に面する家は全て燃えてしまったそう。そこで、領主からの指示でルネサンス様式に建て替えたところ美しい家が立ち並ぶ事になった。
17時10分ごろにはライトアップされ、また違った雰囲気に。
季節が季節なので開いているお店は少なかったものの春や夏になると増えるそう。
そして、今日泊まるホテルへ移動。19時ごろには着く予定が20時45分。
どうやら途中で運転手さんが道を間違えたみたい。その程度のハプニングは完全に想定内で慣れてしまっている自分に
「だんだん心がワールドワイドになってきたんじゃねえかな」
とそう呟き、眠りにつく。
ヨーロッパ旅行2日目②
さてさて、お次は
「せーの、昼ごハンガリー」(何なのこれ)
無数のワインが置かれている雰囲気あるお店。誘導されるがままに地下へと降りて行き、そして洞窟の中へと入って行く。カビ臭い洞窟特有の臭いの先にはオシャレな部屋。
ここでは『グヤーシュ』というハンガリー起源のスープ、ビーフシチューのようなものを食べた。
ちょっぴり辛味が効いていて、それはハンガリーで有名なパプリカの香辛料がアクセントになっているそう。
その後の口直しのデザートは、甘くてペロリと平らげた。名前は、、、忘れました。お茶目(舌ペロリ)
そして、店を出た後はペスト地区の英雄広場へ。
文字通り歴代の英雄たちが立ち並ぶその広場の真ん中には聖イシュトバーンの王冠と大主教十字を握っているガブリエルを頂く柱がある。
その広場の右側にはブダペスト現代美術館。
その後は『ドナウ川の曲がり角』と呼ばれるセンテンドレという小ぢんまりとした綺麗な街へ行った。開いている店自体が少なく、街でふざけた写真を撮って時間終了になった。
午後16時ごろ、ホテルに戻り2時間ほど時間を潰して、ディナーの場所へとバスで向かう。
「せーの、晩ごハンガリー」(もうええ)
店に入るとまずショットグラスを渡される。少量入った透明の液体はどうやら生半可な覚悟で飲んじゃいけないなと感じさせた。
そのお酒は後で調べてみたらパーリンカという名前で度数は40度くらい。
食事と共に赤ワインを嗜んでいるとバイオリンやチェロなどの生演奏が始まり、男女2人ずつが高い声を出したり、足や手を打ち音を出しながらリズムをとりダンスする『フォークロア』を見せてもらった。
ツアー参加者の内、男性が僕と友達の2人だけだったので狙い撃ちで踊らされ、ワインを一気飲みさせられ、とてもとても楽しい夜になった。
そして、最後にはCDを10ユーロで買うという見事な商法。
今日はこれでも聴きながら寝ようかな。気持ちよく寝れそう。あ、でもハンガリー語わからん。。
ヨーロッパ旅行2日目①
移動だけで丸一日を費やし、ハンガリーのブダペストに到着。ibisというホテルに宿泊し、8時間ある時差を治そうと寝ようにも寝れんっ!
結局、朝まで1度も寝れずにベッドの上で携帯を触りながらゴロゴロしていた。
夜行バスなど寝にくい所でも全然平気で大きないびきをかきながら寝る事の出来る僕は、"寝れない"という初めての体験に
「時差やべえな。」
と感心した。
朝6時に備え付けのシャワーを浴び、6時半にホテルのバイキングで朝ごはん。もう既に日本の米が恋しくなっている僕は仕方なくクロワッサンやスクランブルエッグにハム、コーンフレークなどのザ・ヨーロッパなブレックファーストをテイスト。
しかし、これがまた美味しすぎた。少し塩加減や砂糖加減が強めの濃い味で朝からお腹いっぱいに食べる事が出来た。
「せーの、朝ごハンガリー」(何これ)
さて、それではバスで観光地へ向かおう。観光地を案内してくれるのは奈良の大学に留学経験のあるアニコさん。日本語がすごく流暢で、目を閉じれば実際に日本人が話しているように錯覚するほどだった。
最初に、ハンガリーの首都ブダペストはヨーロッパで2番目の長さの河川であるドナウ川を挟んで西岸をブダ地区、東岸をペスト地区と呼び分けられている事を僕は初めて知った。
そして、ブダ地区は山の自然が豊かで起伏が激しく歴史ある王宮や漁夫の砦が位置している。ペスト地区は平坦でオシャレな街が広がっている。
まずはブダ地区の漁夫の砦に向かった。
砦という名前だが戦いに使われたのでなく美化計画の一環として建造されたもので、かつて魚市場として使われていたここをドナウの漁師組合で守ったことから由来しているそうだ。
ハンガリー建国の父、聖イシュトバーン
砦からはブダペストを一望する事ができ、ドナウ川を最初に繋いだくさり橋もこのように見える。
次に向かったのはマーチャーシュ聖堂。『聖母マリア聖堂』とも呼ばれ歴代のハンガリー国王の戴冠式や結婚式などが行われたそう。数々の歴史が刻まれる聖堂で、ガイドさんの説明の中で出てくる皇帝の名前や国の名前が高校1年生の頃にやった世界史をとても懐かしく感じさせた。
そして、くさり橋を渡りペスト地区へ。中央市場にはたくさんの食料品店や雑貨屋さんが並んでいた。
ここで、少し尿意を催したのでトイレへ。
すると、
150Ft(フォリント)=約70円の貼り紙
あれ?お金かかるの?
これは海外では公衆便所が有料なのは当たり前らしくカルチャーショック。
仕方なくお金を支払い中へ。そして、僕はまたカルチャーショックを受ける。
小便器の位置が高い。
脚の長いヨーロッパ人の為に作られた小便器に股下約70cmの僕は背伸びをする事を余儀なくされた。
「ふーん、やるじゃん。」
自らの体から放出する便なるものに金銭的に価値を持たせ、更に背伸びをしながらそれをする事で、僕は人間的にスケールアップした気がした。中央市場のトイレに感謝。
②に続く
ヨーロッパ旅行1日目
大学4年生、最後のテストが終わり卒業まで残すところあと2ヶ月を切った僕は2019/1/29~2019/2/7まで中欧ヨーロッパ(ハンガリー・チェコ・スロバキア・オーストリア)へ10日間旅行に友達と2人で行く事にした。
なぜヨーロッパにしたかという経緯は単純に社会人になるとヨーロッパは遠く、2,3日の休みじゃ物足りないので、時間がある今のうちに行っておこう!というだけである。
初めての海外旅行が中欧になるとは思ってもみなかったなぁ。
世界遺産も観るの初めてだし、気分高まっちゃってるので、記録という意味でもブログ書くか!となった次第。
ヨーロッパ旅行1日目
1/28いわゆる出発日前日に出発地点である関西国際空港(以後、関空)から近い友達の家に泊まり、翌朝7時に起床。
関空に着いたのは8時10分頃。ツアーの集合が9時45分なので、ポケットWiFiを受け取り、ユーロやフォリントそしてチェココルナに両替(通貨いっぱいでややこしい)して時間を潰した。
添乗員の方から諸々の説明を受け、準備万端!と思いきや、乗るはずの飛行機が機材持ち込みに手こずり1時間ほど遅延しているとの事。現地にはとても雪が降っているそうだ。
まさか自分たちの乗る飛行機が遅れるとは。。でも、海外に行く時は、公共交通機関でも時間通りに来ない事は当たり前だと聞いていたので驚く事はなかった。
むしろ、僕は
「そう簡単には海外には行かせてくんねえってか?おもしれえ」
と言い放ち、何も悪い事はしていない22歳大学生だが、どうやら気持ち悪いモードに入ってしまい、鼻水をすすって友達の肩で拭いた。
てなわけで、少し時間が出来て、関空内にあるうどん屋さんで朝食をとる事にした。旅立ち前の最後の日本食だ。美味い。3口で食べ切った。
さて、次にあるのは手荷物検査。初めてだったので気分が高まっていたのだが、そこで目の当たりにしたのは驚くべき光景だった。女性係員が半ギレ状態である。
「なんで?」
中国人観光客に対し日本語で冷ややかな目をしながら低い声でゆっくりと罵詈雑言を浴びせていた。どうやら荷物が多い場合はトレイを分けないといけなかったようだった。
しかし、そこまで怒らんでも。。
ちなみに中国人は日本語を全然分かってなかった。セーフ、、?
そして、ついに僕の番が来た。先ほどの一部始終を見ていたので、トレイを必要以上に多く用意し荷物を細かく分けた。
しかし、、、ピンポーン
「は?」
ポケットに携帯を入れっぱなしで通るという初歩的なミス。係員に体をくまなく調べられて、初荷物検査終了。あれ、恥ずかちいね。
そして、いよいよ人生で3度目の飛行機に乗ると、今までとは違った緊張感があった。最初は沖縄へ、2度目は北海道へと中高の修学旅行で行ったものだから、友達がいっぱいでわちゃわちゃとふざけながら乗った記憶がある。しかし、今回は初の海外、それに友達は後ろの席で右も左も隣は見知らぬ女性。飛び立つ瞬間が今までで1番怖かった。
その時、顔面がものすごく引き攣っていたせいか、顎が外れた。そう、僕には外れ癖がある。痛い。
無事、離陸に成功し安定した航空機は、目的地のハンガリーのブダペスト空港までの経由地である『ヨーロッパの玄関』フィンランドのヘルシンキ空港を目指す。そして無事、顎を戻す事に成功し安定した僕は、早速映画を観る事にした。
『プラダを着た悪魔』
『デッドプール2』
『the other women』
以上の3作品を観たのだが総評は割愛させて頂こう。
途中で右隣の日本人女性が観ている『IT(イット)』というホラー映画を盗み見し、ふと気付いたらその女性が僕の『デッドプール2』を盗み見しているという、隣の芝生は青く見える的な"隣の映画は面白く見える"現象が発生したのはとても興味深かった。
初めての機内食の時間では、「Beef or chicken?(牛肉ですか、鶏肉ですか?)」ではなく「Chicken or rice?(鶏肉ですか、ご飯ですか?)」と聞かれ、僕の頭はハテナでいっぱいになったが大和魂で「Rice!」と言うと、ご飯と鶏肉のあんかけが出てきて思わず1人で
「とりやん。」
と小声でツッコんだ。
通路を挟んだ左隣の、恐らくベトナム人女性は思いっきりBeefを食べていて、また頭にハテナがいっぱい出てきたが、恐らく僕の英語力の無さ露呈案件だったんだろう!悔しながらも
「や~っぱ~りぼ~くは、チキ~ンとラ~イス~でいいや~」
と言い聞かせ3口で完食。美味だ。
その後は特に仮眠もとらずテトリスゲームを真剣にやっていた。1列を40回消すタイムアタックでランキング入りまであと1歩の所まで成長するほどやり込んだ。
おかげで、フィンランドのヘルシンキ空港に着陸する際に恐怖心は全く無く、むしろ機体が揺れてコントロール出来ない指先に苛立ちが募った。積み上がったブロックに僕の視界はブラックに。フィンランドのフィンはまさにfinishの_____fin.なんだねママ。
フィンランドでは、そんなブロックよりも多く雪が積もっていた(上手くない)(テトリスよりも上手くない)。
そしてすれ違う人たち全員背が高い!さすがヨーロッパ人!
再び行われた入国審査で「ハローコンニチハ、アリガトウ」とパスポートに判子を押してもらい本日2度目の飛行機搭乗。先ほど仮眠を取っていないせいか爆睡。
そこでキャリーケースを受け取り、バスで30分ほど揺られホテル到着。そして就寝。まだ時差ボケで体に変な感じがするががんばって寝りる。